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シルバープレートとビスケットジャー
2012年09月20日
こんにちは!
店長のボーイズ直子と申します。イギリス人の夫と日本で結婚して、早、28年。(時がたつのがあっという間で恐ろしいです)夫と一緒にアンティークの仕事に携わるようになって、25年がたってしまいました。
こちらのお店でご紹介するアンティークの銀器は、何年か前から、自分の趣味で集めてきたものが発端だったのですが、まだまだ日本ではアンティーク銀器のよさが知られていない、少しでも日本の皆さんにアンティーク銀器の良さを知ってもらいたいと思い、3年ほど前からヤフオクで、少しずつ、ご紹介してまいりました。
このお店でご紹介するのは、イギリスのシルバープレートをメインとしています。
シルバープレートというと、銀メッキのことですが銀メッキ、というと「えっ銀メッキって、銀の偽物じゃないの」なんて言われてしまったりするのですが、
イギリスでは、高度成長期真っ只中のビクトリア時代、19世紀の中ごろに電気鍍金の製法が開発され、それまで、銀器は貴族や大金持ちの人々だけが使える高級品だったのが、使えるお金が増えてきた、小金持ちや中産階級の人々にも手の届くものとなったのです。
また、大金持ちや、貴族のおうちでも全てのものを銀器でそろえるのにはお金がかかりすぎる、または、純銀ではやわらかすぎてうまくできなかったものも、ニッケルシルバーなどの硬い合金ではうまくできるようになったため、臨機応変に純銀のものとシルバープレートのものを使い分けるようになったようです。
ビクトリア時代からそれに続くエドウォーディアンのころに作られたシルバープレート製品は、それまでの純銀製品と同じハンダ付けの技術や彫刻の技術を使った、非常に質の高いものが見受けられます。ビクトリア時代の熟練した銀職人の手による、ほとんど芸術作品とも言えるすばらしいものもあります。それらのものはやはり、良いおうちで使われていたものでしょう。
前書きが長くなってしまいしたが、今回ご紹介する、とても美しいビスケットジャーもそのうちのひとつです。
この時代のビスケットジャーは、普通、丸型か楕円のものが多いのですが、このジャーは上から見ると花びらのようで、八つのふくらんだ面を持っています。一つ一つの面にチェイシングという、ノミとハンマーによる手作業による、凹凸の出る技法で丁寧に彫刻が施されています。
蝶番でつながるこんもりと盛り上がったふたにも美しい彫刻とデコラティヴな摘みが添えられ、いっそう、このジャーを豪華なものにしています。
しかし、このジャーのすばらしさは、形の優美さ、美しさだけではありません。ビスケットジャーとしての機能も優れており、ビスケットがしけないように、蓋部分は、この複雑な胴体の形にぴったり合うように、一部のすきも無く作られています。
胴体と一体化したトレイにはビーズのボーダーが飾られ、当時イギリスで非常に人気のあった、鳥獣脚が全体を支えています。
こちらのお品は当時のイギリスの銀職人の技術の高さを本当に実感させられる、すばらしい作品です。
こういった手の込んだ仕事の見られるものは、とても高級品です。しかし、純銀製品に比べるとお買い求めやすいお値段になっていると思います。
それが、シルバープレートの良さです。こういうものは、現在でも、将来でもできなくなってしまった技術を使って作られていながら、純銀ではないため、こういうお値段ですが、アンティークとしての価値は下がりません。将来的にプレートがはがれてしまっても、銀はかけなおすことができます。 蝶番なども直すこともできます。(日本でもできるところがあります、私のところでも直せます。ご相談ください。)
大事に使っていただければ、これから100年でも200年でも使っていただけるようなお品です。
よろしければ、商品ページに写真をたくさん用意してありますので、ご覧ください。
店長のボーイズ直子と申します。イギリス人の夫と日本で結婚して、早、28年。(時がたつのがあっという間で恐ろしいです)夫と一緒にアンティークの仕事に携わるようになって、25年がたってしまいました。
こちらのお店でご紹介するアンティークの銀器は、何年か前から、自分の趣味で集めてきたものが発端だったのですが、まだまだ日本ではアンティーク銀器のよさが知られていない、少しでも日本の皆さんにアンティーク銀器の良さを知ってもらいたいと思い、3年ほど前からヤフオクで、少しずつ、ご紹介してまいりました。
このお店でご紹介するのは、イギリスのシルバープレートをメインとしています。
シルバープレートというと、銀メッキのことですが銀メッキ、というと「えっ銀メッキって、銀の偽物じゃないの」なんて言われてしまったりするのですが、
イギリスでは、高度成長期真っ只中のビクトリア時代、19世紀の中ごろに電気鍍金の製法が開発され、それまで、銀器は貴族や大金持ちの人々だけが使える高級品だったのが、使えるお金が増えてきた、小金持ちや中産階級の人々にも手の届くものとなったのです。
また、大金持ちや、貴族のおうちでも全てのものを銀器でそろえるのにはお金がかかりすぎる、または、純銀ではやわらかすぎてうまくできなかったものも、ニッケルシルバーなどの硬い合金ではうまくできるようになったため、臨機応変に純銀のものとシルバープレートのものを使い分けるようになったようです。
ビクトリア時代からそれに続くエドウォーディアンのころに作られたシルバープレート製品は、それまでの純銀製品と同じハンダ付けの技術や彫刻の技術を使った、非常に質の高いものが見受けられます。ビクトリア時代の熟練した銀職人の手による、ほとんど芸術作品とも言えるすばらしいものもあります。それらのものはやはり、良いおうちで使われていたものでしょう。
前書きが長くなってしまいしたが、今回ご紹介する、とても美しいビスケットジャーもそのうちのひとつです。
この時代のビスケットジャーは、普通、丸型か楕円のものが多いのですが、このジャーは上から見ると花びらのようで、八つのふくらんだ面を持っています。一つ一つの面にチェイシングという、ノミとハンマーによる手作業による、凹凸の出る技法で丁寧に彫刻が施されています。
蝶番でつながるこんもりと盛り上がったふたにも美しい彫刻とデコラティヴな摘みが添えられ、いっそう、このジャーを豪華なものにしています。
しかし、このジャーのすばらしさは、形の優美さ、美しさだけではありません。ビスケットジャーとしての機能も優れており、ビスケットがしけないように、蓋部分は、この複雑な胴体の形にぴったり合うように、一部のすきも無く作られています。
胴体と一体化したトレイにはビーズのボーダーが飾られ、当時イギリスで非常に人気のあった、鳥獣脚が全体を支えています。
こちらのお品は当時のイギリスの銀職人の技術の高さを本当に実感させられる、すばらしい作品です。
こういった手の込んだ仕事の見られるものは、とても高級品です。しかし、純銀製品に比べるとお買い求めやすいお値段になっていると思います。
それが、シルバープレートの良さです。こういうものは、現在でも、将来でもできなくなってしまった技術を使って作られていながら、純銀ではないため、こういうお値段ですが、アンティークとしての価値は下がりません。将来的にプレートがはがれてしまっても、銀はかけなおすことができます。 蝶番なども直すこともできます。(日本でもできるところがあります、私のところでも直せます。ご相談ください。)
大事に使っていただければ、これから100年でも200年でも使っていただけるようなお品です。
よろしければ、商品ページに写真をたくさん用意してありますので、ご覧ください。