ゴージャスなハンドチェイスド(手作業によるノミとハンマーによる打ち出し彫刻)の彫刻が見事なビクトリア時代1895年に作られた、シルバープレート、ティーセットをご紹介いたします。
全体的にとても端正なデザインです。手作業によるお花とスクロールのチェイシングは自己主張しすぎず、こういうチェイシングのデザインとしてはゴージャスというよりも可憐な感じです。でも、仕事は手を抜いておらず、チェイシングは前面、後面のみならず、注ぎ口、ハンドル周りにもしっかり施されています。フルーテッドのスパウトの下部分のまったく目立たない部分にも細かいチェイシング、そして、ベース部分も通常のオーバルではなく、ちょっとアクセントが。ハンドルと摘みは黒檀です。しっかりした合金を使い、とても重厚なつくりです。
それもそのはず、こちらのメーカーはAtkin Brothers. このお店でも何回かご紹介させていただいている、1750年代にまで遡ることのできる老舗中の老舗メーカーです。
面白いことに、このお品にはAtkin Brothersのマークはありますものの、名前はMaple &Co. LONDON となっています。
これはヴィクトリア時代からエドウォーディアンにかけて世界最大といわれた高級家具店、Maple & Co.のために造られたものだからです。Maple & Co.は当時、ダイニングルーム、居間、ベッドルーム、全ての部屋に使われる、ありとあらゆる家具を作っていました。ですので、このようなティーセットも一緒において売っていたのでしょうね。
ちなみに、このMaple & Co.のマークのあるアンティーク家具はイギリスでも高値で取引されています。
こちらのお品にはデザイン登録ナンバーがあり、それによると1895年に登録されています。製作年もほぼ同じですのでおよそ118年程前に作られたお品となります。
このお品は近年になって純銀のかけなおしをおこなっており、とても美しい状態です。ポットの内側は、多少、シルバーがかかりきらなかったところがありますが、プロのシルバースミスによってきれいに掃除してあります。シュガーポット、ミルクジャグともにキズなどもほとんど無い、エクセレントコンディションです。写真ではポットの注ぎ口にしみがあるように見えますが、何かの影が映っているものです。ポットの蓋が少々、前後に動きます。
ぜひ、この機会にこの優美なティーセットをあなたのコレクションに加えてください。お客様をおもてなしするのにぴったりのポットですし、アンティークのディスプレイとしてもすばらしいものです。
純銀のかけ直しをしていても、場所によってはかかりきらないところなどがある場合がございます。あくまでもアンティークのものに修繕をしているとお考えください。
サイズ
ティーポット
幅 約25.7cm(注ぎ口から取っ手の一番広いところまで)
奥行き約10.5cm(最大値)
高さ 約19.2cm(蓋のつまみのトップまで)
容量 約1.2リットル
重さ 約640g
シュガーポット
幅 約17.5cm(取っ手の端から端まで)
奥行き 約9.1cm(最大値)
高さ 約12cm(取っ手の一番高いところまで)
重さ 約322g
ミルクジャグ
幅 約12.1cm
奥行き 約6.7cm(最大値)
高さ 約10cm(取っ手の一番高いところまで)
重さ 約182g