シルバープレート製、ヴィクトリア時代中期から後期のものと思われる、シェル型、透かし細工が美しい、ビスケットウォーマーです。
ビスケットウォーマーというのはヴィクトリア時代の非常に美しい、しかし、摩訶不思議な銀器です。
ビスケットというものの、当時は今で言う、スコーンのようなものをさしていたようです。
これを中に入れ、暖炉の前で温め、いつでも暖かいビスケット(スコーン)を食べられるようにしていたようです。 ものすごく広い邸宅に住んでいたため、キッチンのオーブンで温めたビスケットをもってきても、すぐ冷めてしまうからでしょう。庭でのティーパーティーや、ピクニックなどにも持っていったと言います。 ヴィクトリア時代にはアフタヌーンティーが上流階級で大流行したため、このビスケットウォーマーを初め、ティーに関する銀器がいろいろ発明されました。
このビスケットウォーマーは、実用的、と言うよりも、テーブルや、庭でのピクニックに美しい彩を添えるものだったのでしょう。こちらのお品のように、内側にギルディングを施してあったり、仕切りの透かし細工が非常に美しく装飾されたものがあります。
また、産業革命の真っ只中に産声を上げた銀器らしく、いろいろな仕掛けをつけて、特許をとっているものもあります。こちらのもののように、ボタンを押して開閉するものや、内側の仕切りが二つのボウルの間に、すとんと落ちて仕切りが倒れてこないようにするものがあります。 こういう、仕掛けは、上流階級の人々のお茶の時間の話の種にもなったのでしょうね。
こちらのお品は、よくある、リプロダクションのお品ではなく、ヴィクトリア時代のオリジナルのものです。ヴィクトリア時代中期から、後期にかけてのものだと思います。透かし細工の仕切り板は真ん中の隙間に落ちるタイプではありませんが、開閉がぼ男児賭けになっているタイプです。
こちらのお品は近年になって純銀のかけなおし、内側のギルディング(金鍍金)のかけなおしを済ませています。ほんの少々ガタがありますが、なるべくがたつきを直してからの出荷となります。エクセレントコンディション。
ビスケットウォーマーは、一般家庭のものではなく、上流階級やお金持ちのアフタヌーンティーのために作られたものなので、(暖炉の前で火に当てるため、純銀のものはありません)元々そんなに多くは造られていなかったうえに
もともとが非常に凝った造りですので、状態の良いもの、こちらのお品のように、デザインが美しいお品はイギリスでも見つけるのが非常に困難です。
ぜひ、この機会にこの素晴らしいビスケットウォーマーをあなたのコレクションに加えてください。
幅 約24.5cm(最大値)
奥行き 約12cm(最大値)
広げたときの幅 約34.6cm(最大値)
高さ 約28.5cm(とっての一番上まで)
高さ 約6.8cm(広げた時のふちまで)
重さ 約1.8kg