シルバープレート製 ヴィクトリア時代後期、ハンドチェイシングのお花の彫刻がとっても華やかで美しい、ティー&コーヒー4点セットをご紹介いたします。
ポットの裏側にある刻印に王冠マークがあり、これはシェフィールド製を表していますが、純銀の登録所であるシェフィールドのアセイおふぃーすの刻印と紛らわしいため、1897年に使用を禁止されております。その事からこのお品は1897年以前に制作されたことがわかります。
メーカーはH J & Co.とありますが、作者を特定する事は出来ませんでしたが、非常に技術の高い職人によるもの、ということは間違いありません。
このティー&コーヒーセットは、The Tea Set と呼びたいくらい、私がパーフェクトと思える条件をすべて兼ねそろえています。
まずは、薔薇と花と葉、真ん中のスクロールの彫刻。お花は、花弁の膨らんでいる部分を膨らませ、中心はへこませる、葉は真ん中の部分を膨らませ、はねている葉先はへこませる、スクロールも、真ん中部分を膨らませ、端をへこますことにより、立体的で非常に動きのある、彫刻になっています。当時の職人の質の高さがよくわかると思います。
摘みは、お約束のお花の摘み。これはネジが一つだけではなく、二つのねじになっていて、(小さいほうは留め金具はない)ぴったり合っていますので、オリジナルのものでしょう。鋳金細工で作られたこの摘みも作りがとても凝っています。
また、白鳥の羽のハンドル。これも、ディーテイルがシンプルなものもありますが、このお品のハンドルはディーテイルが細かく、羽の羽具合などが絶妙です。ティーポットやコーヒーポットのハンドルだけディーテイルが細かくて、クリームジャグやシュガーポットのハンドルはそうでもない、ということもよくありますが、このセットは、どのハンドルもディーテイルが細かく、丁寧に作ってあり、感心してしまいます。
また、透かし細工の脚部もディーテイルが細かく丁寧に作られており、ほかの部分に引けを取りません。注ぎ口は少しシンプルですが、ほかの部分が華やかなので、これはこのくらいのほうがうるさすぎなくてよいかと思います。
このティー&コーヒーセットの全面に施された美しい彫刻はチェイシングという技法で、職人の手作業によるノミとハンマーを使った打ち出し彫刻です。ふたにも打ち出し彫刻の技術でお花の彫刻が施されています。
ハンドルの断熱材は象牙質のものとなります。ハンドルはしっかりしており、ゆるみは全く見られません。蝶番にもゆるみはございません。
こちらのお品は、今現在一切、シルバーのかけなおしはしておりません。
おそらく、オリジナルのままです。ほとんど使用されていなかったのかと思います。
ティーポットの内側の底は写真でわかるように点々状に少々のプレートロスがございますが、それ以外はとてもきれいな状態です。
コーヒーポットの内側は写真には写らなかったのですが、2,3か所ごく小さな部分でプレートトロスの個所がございますが、気にならない程度かと思われます。とてもきれいな状態です。
クリームジャグ、シュガーポットの内側の鍍金にはシミや、鍍金の剥がれなどなく、とてもきれいな状態です。シュガーポットの金鍍金はクリームジャグより若干色が薄めに感じますが、これは金鍍金が薄くなったというよりは、内側の面積がクリームジャグのほうが狭いため、色が濃いように見えるのだと思います。
このお品に純銀のかけ直しをするかどうか検討したのですが、アンティークのシルバープレート製品は、オリジナルの状態でこのお品のようにここまで美しい状態のものはなかなかございません。
現代のかけ直しですと、ハンドルの周り部分や蝶番のあたりなど、機械が届かないところはポリッシュが出来ない場合があり、そういうところは色が白く残ってしまう場合があります。(銀はかけ直しをしただけでは銀色にはならず、機械でポリッシュがけをして初めて銀色に輝きます)
オリジナルの状態が非常に良ければ、それがベストの状態ですので、ティーポット、の内側のみ、純銀のかけ直しをしてお送りしたいと思います。これは代金に含まれております。10日程度、発送までお時間をいただきます。
内側は、ホワイトニングという、かけ直しをして、磨きをかけない状態の、通常施行となります。プレートのロスの深さによっては純銀がかかり切らない、または、実際にカバーされていてもかけ直しは何ミクロンの厚さの世界ですので、下にロスの部分が透けて見える場合もございます。
少々のロスは気にならないので、かけ直しは必要ないと思われる方には代金より5000円を割引いたします。
また、やはり、全体的にかけ直しをしてほしい、というご要望にもお応えいたしますので、その場合はお問い合わせください。
ここまで素敵なお花のデザイン、洋ナシ型のシェイプ、お花の摘み、透かしの脚部と、全てがそろったティー&コーヒーセットは最近は本当に見つけるのが困難です。このようななデザインのものを探していた方はぜひ、お見逃しの無いように。次はいつ出てくるかわかりません。
サイズ
ティーポット
幅 約24cm(注ぎ口から取っ手の一番広いところまで)
奥行 約15cm(最大値)
高さ 約19.5cm (ふたの摘みのトップまで)
容量 約1.2リットル
重さ 約749g
コーヒーポット
幅 約26cm(注ぎ口から取っ手の一番広いところまで)
奥行 約15cm(最大値)
高さ 約27cm (ふたの摘みのトップまで)
容量 約1.6リットル
重さ 約985g
ミルクジャグ
幅 約12.5cm(注ぎ口からハンドルの端の一番広いところのまで)
奥行 約10cm
高さ 約14cm(ハンドルの一番高いところ)
重さ 約255g
シュガーポット
幅 約19cm(一番広いところ)
口径 約10cm
奥行 約14cm(最大値)
高さ 約14cm(ハンドルの一番高いところ)
重さ 約441g
こちらの商品はイギリスよりの書留航空郵便送料が無料となります。
こちらの商品の動画をこのページの一番下にアップしておりますので、ぜひご覧ください。(全画面表示にてご覧になると、より詳細が見やすいかと思います。)