クラレットジャグは赤ワイン用のデカンターです。 もともとクラレットジャグとして作られたものだと思いますが、水差しとしてもとてもテーブルの引き立つお品です。
インタリオエングレービングとは彫刻刀で深く切り込む彫刻技法で、凹面を際立たせることにより、彫刻に陰影をつける技法です。イギリスのグラスメーカーではトーマスウェッブと並ぶ、イギリスのトップグラス工房、Stevens & Williams が19世紀後半にこの技法を編み出したとのことです。トーマスウェッブも同じスタイルのグラスをたくさん出しており、イギリスでは、ウェブスタイルと呼ばれることが多いです。
このような銀器とグラスとの組み合わせの場合、グラスのメーカーが刻印されていることはほとんどなく、このお品にもグラスには刻印はございませんが、非常に水準の高いレベルのグラスであることから、おそらく、Stevens & Williams か、トーマスウェッブ、それに準じるレベルのグラスメーカーのものであることを確信しています。
アセイオフィス:シェフィールド
制作年:1901年
メーカー:W & G Sissons ヴィクトリア時代の創業が多いシェフィールドのシルバースミスですが、このシルバースミスは、1786年の創業。これは古くから貴族、王族に銀器を作ってきた事を表しています。1864年にはロンドンのアセイオフィス入りを果たし、1887年にはロンドンにショールームを構えています。