1880年から1890年ごろと思われる、純銀製かと思われるような、非常に細かな彫刻が華麗な、シルバープレート ヴィクトリアンロココティーポットをご紹介いたします。
全面に施されたハンドチェイシング(ノミとハンマーを使った手作業の打ち出し彫刻)の細かさ、美しさに圧倒されます。ここまで、細工の細かいものは純銀製のものには見られますが、シルバープレートではほとんど見つかりません。
ヴィクトリアンロココの華麗さが好きで、よく探しているのですが、シルバープレートでヴィクトリアンロココスタイル(イギリスではルイスタイルの呼び名のほうが一般的です)のお品自体がとても少ないです。私には独自のルートがあり、何とか見つけています。
デザインはとても古典的で、ひとつひとつ丁寧に打ち出された薔薇や花葉、果物の彫刻が両面に施されています。
また、ポットの表面は、いろいろな技法や道具を使って違うテクスチャを表現しています。
道具で線や模様の内側を埋めてブライトカットカットのような効果を出して、きらきら見せるようにしたり、手作業で、細かい点々で線の内側を埋め、違うテクスチャーを演出したり。
ヴィクトリア時代のものはほとんど手作りで、道具を使っている場所があっても、電動ではないものがほとんどです。この時代には当たり前、とは言え、いつも、あまりの仕事の細かさにあっけに取られてしまいます。
注ぎ口には鷲や、ギリシャ神話の神様と思われる彫刻がいっそう豪華さを高めています。ポットの蓋や、木の実をつまもうとする小鳥の摘みまで、丁に形成されています。
豪華な鋳金の脚部も美しく、非常にしっかりとハンダ付けされており、全体的に老舗シルバースミスのとても丁寧な仕事ぶりがうかがえます。
こちらのお品はつい最近になって純銀をかけなおしております。内側の底、1本の足の裏側辺りにシルバーがかかりきらなかった箇所がありますが、それ以外は非常にすばらしい、エクセレントコンディションです。
メーカーはJohn Round & Sons シェフィールドの、1847年創業。創業時は小さな家族経営のシルバースミスでしたが、ヴィクトリア時代の高度成長期の波に乗って、かなりヴィクトリア時代後期にはかなり大きなシルバースミスになっていました。
非常に美しいヴィクトリア時代の息吹が感じられるすばらしいお品です。
ぜひこの機会にあなたのコレクションに加えてください。
ティーポット
幅 約26cm(注ぎ口から取っ手の一番広いところまで)
高さ 約19.5cm(蓋のつまみのトップまで)
容量 約1.2リットル
重さ 約959g
誤差がある場合がございます。