ハンドチェイスド(手作業によるノミとハンマーによる打ち出し彫刻)の彫刻が見事なビクトリア時代のものと思われるシルバープレート、コーヒーポットをご紹介いたします。
以前に、同じデザインのティーポットをご紹介しています。
非常に端正な技術の高い彫刻ながら、手作業によるお花とスクロールのチェイシングは自己主張しすぎず、こういうチェイシングのデザインとしてはゴージャスというよりも凛とした美しさを感じます。仕事は一切手を抜いておらず、チェイシングは前面、後面のみならず、注ぎ口の下部、ハンドル周りにもしっかり施されています。
蓋部分の小さいスペースにも細かいフラットチェイシングでスクロールとお花の彫刻。これも、一切手を抜かず、花の花弁や葉の内側まで、丁寧に丁寧に彫刻されています。
メ
ーカーはシェフィールドのAtkin Brothers。このお店でも何回かご紹介させていただいている、1750年代にまで遡ることのできる老舗中の老舗メーカーです。 チェイシングの彫刻技術はほかのシルバーメーカーとは一線を画していると思います。
このお品はヴィクトリア時代のままのオリジナルコンディションです。
とてもそんなに古いものとは思えないほど良い状態を保っています。おそらく、未使用か、使われても数回程度だったと思います。
気が付いたコンディションを記しておきます。
ハンドルを右にした時の下部真ん中鏡面部分に数本の擦りキズ。一番長いものが1cm程度です。写真ではキズが陰になってしまい黒っぽく見えますが、このキズはプレートははがれておらず、実際にはここまで目立ちません。
スパウト近くのボディー鏡面部分に1mm程度のたいへん小さなプレートのはがれが数か所。
蓋の淵部分に1mm程度のたいへん小さなプレートのはがれが一カ所。
ほかにも私が気が付かないレベルのたいへん小さなはがれ、キズはあるかもしれませんが、いずれのキズ、プレートのはがれも美観に影響を与えるものではありません。
純銀をかけなおしたばかりのものと同様のレベルといって差し支えないと思います。
ポットの内側も大変きれいです。
木製のハンドル及び、摘みですが、水に強い、固い木を使っています。よく、木製のハンドルは腐ったりしないですか、と聞かれるのですが、こちらのお品はヴィクトリア時代のものです。腐ったりしませんのでご安心を。木製のハンドルと摘みのお手入れ方法もお知らせいたします。
ぜひ、この機会にこの優美なティーポットをあなたのコレクションに加えてください。お客様をおもてなしするのにぴったりのポットですし、アンティークのディスプレイとしてもすばらしいものです。
サイズ
幅 約23.5cm(注ぎ口から取っ手の一番広いところまで)
奥行き約11.5cm(最大値)
高さ 約25.5cm(蓋のつまみのトップまで)
容量 約1.7リットル
重さ 約821g