とてもヴィクトリア時代らしい、デコラティブなこまかな打ち出し彫刻が見事な、素晴らしいティーケトルとスタンドのセットをご紹介いたします。
ティーケトルは、昔はキッチンが地下にあり、階上の居間からは遠かったため、ティー用のお湯が冷めないように、沸かしたお湯をケトルにいれ、下からオイルのヒーターで温めておいたものです。 もちろん、全部、メイドがやってくれていたのですね。
これは小さなバッチェラーサイズで、夜寝る前や、結婚した貴婦人は朝食を家族と取らず、ベッドでとっていたと聞きますので、寝室での朝食に使っていたものかもしれませんね。ハンドルが前に少々傾いていますが、ホルダーキー2か所でスタンドにはめてあるケトルを後ろのキーを外しただけで、簡単に傾けられるように少し傾いているのだそうです。
こちらのお品は、オイルと芯を入れるポットがついていますので、オイルランプなどのオイルと芯を使っていただければ、今でもティーケトルとしてお使いいただけると思いますが、テストはしておりません。
実用向けというよりは、オーナメントとしてテーブルディスプレイにお使いいただきますと、ティーテーブルがとても華やかになると思います。
メーカーはWilliam Hutton & Sons 1800年創業、ヴィクトリア時代を代表するシェフィールドのシルバーメーカーの一つです。
こちらのお品は、1890年代にWalker & Hall が発明した、ハンドルに空気穴をあけることで、熱さをを逃がす方法のハンドルを使っていること、1902年に合併したシルバースミスのマークをその年以降から使いだしているが、こちらのお品にはそのマークを使っていないことなどから、ヴィクトリア時代後期のお品だと思っています。
このお品は上部全面にチェイシング技法(ノミとハンマーによる手作業の打ち出し彫刻)で薔薇やお花、ヴィクトリア時代らしい モチーフで、装飾されています。注ぎ口やふたの部分もフラットチェイスという、凹凸をつけない、打ち出し彫刻で美しく飾られています。
スタンドは、空気を取り入れるための実用も兼ねた透かし細工、鋳金によるスクロールモチーフ、エレガントな装飾の脚部で飾られています。
状態は、近年になって純銀のかけ直しをしたクセレントコンディション。内側もかけなおしていますが、多少のシミ跡は残っています。
オイルポットは銀のかけなおしをしておりませんので、シミ等ございます。
アフタヌーンティーのテーブルを華やかに演出してくれる、とても素敵なティーケトル。全体の高さも28cm程度と、かわいらしく、日本のご家庭のテーブルにぴったりのサイズです。容量は1.2リットル程度です。
この機会にぜひ、あなたのコレクションに加えてください。
サイズ
幅 約20cm(注ぎ口から反対側のケトルの一番丸みのあるところまで)
高さ 約28cm(全体的の高さ。取っ手の先まで)
ケトルの高さ 約20cm(取っ手の先まで)
ケトルの容量 約1.2リットル
重さ:約967kg(ポットのみ約573g)
こちらのお品はイギリスからの追跡記録付き航空郵送料が無料です。
火を使ったテストはしておりませんので、オイルポットに火をつけてお使いになる場合は、ご使用になる方ご自身の責任にてお使いください。