ヴィクトリア時代中期から後期のものと思われる、フラットチェイスの彫刻が素晴らしいティーケトルをご紹介いたします。
とても細かなフラットチェイスの手彫り彫刻が見事です。薔薇や小花やスクロールなどの華やかな装飾と鏡面仕上げの部分の対比が美しくエレガント。注ぎぐちの周りにも美しいロカイユ装飾がされています。バスケット編みのハンドルもクラシックな趣にとても似合っています。
スタンド部分にも透かしの美しい装飾がされており、脚も貝の形を模した美しいデザインです。オイルポットは内側のリングを回すとスナファーが開き、外側のリングを回すと芯ホルダーが繰り出すようになっています。このような仕掛けもとても手が込んでいて、当時の職人の技術を感じさせます。
メーカーズマークは薄れてしまって判読できないのですが、シールドの形が少し残っており、このシールドの形、この時代に使っていたゴシック体のEPNSの字体、非常に技術の高い彫刻技術などから、おそらく、この時代を代表するシルバースミスの一つ、
Martin, Hall & Co のものだろうと思っております。
状態は近年になって純銀のかけなおしをしたエクセレントコンディション。1か所裏側のイニシャルの入っている部分の横、鏡面仕上げ部分に曇りがある場所がありますが、おそらく、かけなおした下の部分が影響したものだと思います。写真では黒っぽく見えますが、実際には少々テクスチャーが違う程度です。目立たないと思います。
内側もとてもきれいです。
バスケットの編み目も全くほどけておらず、150年近くを経ているお品とは思えない、素晴らしい状態です。
アフタヌーンティーのテーブルを華やかに演出してくれる、とても素敵なティーケトル。
全体の高さも33cm程度と、大きすぎず、使いやすいサイズかと思います。
この機会にぜひ、あなたのコレクションに加えてください。
こちらのお品は、火を使ったテストはしておりませんので、オイルポットに火をつけてお使いになる場合はご使用になる方ご自身の責任にてお使いください。
サイズ
幅 約24cm(注ぎ口から反対側のケトルの縁まで)
高さ 約32cm(全体的の高さ。取っ手の先まで)
ケトルの高さ 約22.8cm(取っ手の先まで)
ケトルの容量 約1.8リットル
重さ:約1.45kg(ポットのみ約866g)