1851年、エルキントン作のハンドチェイシング*が見事なティーポットのご紹介です。
メーカーズマークはElkington & Co.
イギリスでもっとも重要なシルバースミスのひとつで、1838年に電気めっき製法を発見し、1840年にはすでに製品化した電気めっき製法の生みの親です。
電気めっき製法で特許をとったため、資本家から多大なバックアップを受け、Elkington & Coのシルバープレート製品は今までのシェフィールドプレートと違い、耐久性に優れ、細かいところまで、きれいにシルバープレートされるため、あっという間にシルバープレートの市場を独占しました。
Elkingtonの芸術的なシルバープレートの質の高さ、デザインの素晴らしさから各国の万博などで、最高賞を受賞し、ヴィクトリア女王を初めほとんど全ての王族から御用達を受けています。
1868年にはヴィクトリア女王は王室にある全ての銀器のコピーをシルバープレートで
Elkingtonに作らせています。
Elkingtonのお品には独自のデートマークにより製作年がわかるようになっており、こちらのお品は1851年の制作。エレクトロプレートが商品化されてからわずか、11年後のお品です。
大胆な構図の、スクロールを主体としたロカイユ装飾は、非常にのびのびとしており、自由自在に立体感を出すツボを完璧にわかって彫刻しているさまがわかります。 このポットの彫刻を担当した職人さんが、非常に質の高い技術者だったことがすぐに見て取れる、芸術性の高い逸品です。エルキントンはエレクトロプレートを発明する以前は純銀器のシルバースミスだったこともあり、貴族やお金持ち付きの非常に技術の高い職人たちを抱えていました。
鋳金細工の生き生きとしたお花の摘みや、ハンドルにある、薔薇の蕾も素敵です。
こちらのお品は純銀のかけなおしから戻ってきたばかりのエクセレントコンディション。へこみなどもほとんどなく、鏡面仕上げには古いキズもほとんど見えない、素晴らしい状態です。ポットの内側もきれいに純銀がかけれれていますが、底部分に少々ムラがあります。しかし、とても清潔な状態です。
このティーポットの断熱材は象牙と思われます。古いティーポットにありがちなハンドルのゆるみもございません。
注ぎ口の形が良く、綺麗に注げます。普通のティーカップ(約180mlのもの)5杯分くらいの量が入ります。
シルバープレートのルーツと言える、素晴らしいアンティーク芸術作品。
ぜひ、164年の歴史を感じ取ってください。
サイズ
幅:約28.5cm(ポットの注ぎ口からハンドルの一番広いところまで)
奥行:約15.5cm(最大値)
口径:約8.5cm
高さ:約13cm(摘みのトップまで)
重さ:約661g
容量:約1リットル
こちらの商品はイギリスからの追跡付航空郵送料が無料です。
商品はティーポットのみです。その他の写真に写っているものは大きさの比較にためで、商品には含まれません。
*ハンドチェイシングとはノミとハンマーを使い、凹凸をつけながらモチーフを浮き立たせる打ち出し彫刻法。