1904年ヴィクトリア時代が終わって2年後のエドワード王朝のブライトカットがフィーチャーされた手彫り彫刻の大変美しいデザートカトラリー6組セットをご紹介いたします。
メーカーは、Barker Brohters. バーミンガム1801年創業、1992年まで191年間の歴史を誇った、イギリスでも数少ないシルバースミスです。イギリスのほとんどのシルバーメーカーは、長くて第2次世界大戦後くらいしか続いていません。かの有名な、エルキントンや、ウォーカー&ホールでさえ、1960年代には他社に合併されて消滅しています。今でも続いているのはMappin & Webbと、ほんの数社です。ですので、このメーカーが、以下にイギリスで重要な役割を果たしていたかがわかると思います。
こちらのお品はブレードとハンドルをつなぐフェレールが純銀(スターリング925)で、ホールマークがあります。フェレールのメーカーは違うメーカーのものですが、当時はよくあった事のようです。
こちらのデザートカトラリー面白いところは、ナイフのブレードについているメーカーズマークが同じセットなのに、何種類か、違うマークがついていることです。たぶん、刃先は作られた年代の違うものを集めて、作られたのではないかな、と思っています。マークはちがっても、全て同じメーカーののマークであることは判明しています。デザインも全て同じです。
ナイフ、フォークともにとても美しい彫刻が施されています。
このお品はまわりのビーズなどは型押しですが、葉のモチーフなどに施されたブライトカットなどは、手作業で行われており、まだ、ヴィクトリア時代の丁寧な仕事が引き継がれています。
状態は、ナイフの1本に非常に小さい部分にプレートのロスがございます。ちょっと何かで、つついてできたようなキズです。そのほかには指で触ったらかすかにわかる程度のプレートロスを伴わない、刃こぼれのあるものがございますが、目立つものではなく、100年を越すアンティークとしてはエクセレントコンディションと思います。1本のナイフの刃にほんの若干盛り上がった部分があるもの(写真にはうまく写りませんでした)がございますが、これは製作時からのものです。ほとんど気がつかない程度のものだと思います。
白蝶貝のハンドルは輝きも美しく、とても良い状態だと思います。気泡などのない、良質の大ぶりのものを使用しています。白蝶貝の自然の色味があるものがございます。
このお品はプロのシルバースミスによって、磨きだしをしておりますので、曇りのない、鏡面を取り戻しています。(古いお品ですので、少々の磨きキズ使用キズはございます)
デザートカトラリーですので、小さめですが、日本人の手になじみやすいサイズかと思います。しっかりとしたつくりですので、デザートだけでなく、普通のお食事にも使えるかと思います。(刃付けがされておりませんので、硬いものは切れません)
サイズ
ナイフ
長さ: 約19.5cm
重さ: 約47g x 5
フォーク
長さ: 約16cm
重さ: 約30g