ヴィクトリア時代を代表するシルバースミスの一つ、Martin, Hall & Co. 制作、ヴィクトリアンロココ、ルイスタイルのティーポットをご紹介いたします。
イギリスのテレビドラマ、ダウントンアビーのグランサム伯爵のお母様バイオレット夫人がティータイムをなさるときにも使われているタイプの典型的なヴィクトリアンロココのティーポット。イギリスではこのスタイルをルイスタイルと呼びます。フランスのルイ王朝から来たものです。
メーカーはMartin, Hall & Co. 当店でも何度かご紹介しているヴィクトリア時代を代表するシェフィールドのシルバーメーカーの一つです。 多分、年代はヴィクトリア時代中期から後年ごろものもと思っています。
このシルバースミス顕著なのは打ち出し彫刻の美しさです。どの品でもモチーフのどこをふくまらせ、どこを抑えるか、バランスが絶妙で、本当に立体感のある、素晴らしい彫刻を見せてくれます。
この品も中心のスクロールと薔薇やお花の彫刻にも圧倒されますが、、ルイスタイルのお決まりの鷲の頭とギリシャ神話の神様ののディティールも他社のものより非常に細かく鋳造されています。
ふたの縁にはカーストアンドアプライという技法で作られたスクロールで縁どり、ボディーと見事に一体化させています。ふたの上もチェイシングで細かくお花とスクロールの美しい彫刻が施されています。
お決まりの白鳥の羽を模したハンドルも躍動感があり、他社のものと一線を画しています。
注ぎ口、取っ手、金具、蝶番などの溶接部分の周りにも細かくブライトカットの彫刻が施されて、このシルバースミスの腕の確かさ、仕事の細かさにはもう、本当に、脱帽ものです。
脚部も繊細な透かし細工によるもの。これも鋳造されたものを丁寧に底部にアプライしていますが、その周りにもブライトカット彫刻。 Martin , Hall & Co. の技術の高さを存分に味わっていただける、素晴らしいお品です。
純銀のかけなおしから、戻ってきたばかりのエクセレントコンディション。ハンドルにほんの少々ゆるみがございますが、これは断熱材の象牙が経年でやせてきたためにおこるもので、ハンドルが取れかかっているわけではありません。100年以上経てこの程度のゆるみでしたら、ピンがしっかりはまっておりますので、まだまだ長いこと問題なくお使いになれます。
内側は、古いものの場合、状態によってはきれいにかからないことも多いのですが、このお品の場合、とてもきれいにかけなおしできております。
ハンドルを左にした時の真ん中の鏡面部に少々のふくらみ(内側から何かで押したような)があります。ほとんど目立たないと思います。
サイズ
横幅:約26cm(注ぎ口の端からハンドルの端まで)
奥行:約16.5cm(最大値)
口径:約6.5cm
高さ:約28cm(摘みのトップまで)
重量:約862ℊ
容量:約1.5ℓ
こちらの商品はイギリスからの追跡付航空郵送料が無料です。