店長日記

銀器にまつわるうんちく話 その5 サルヴァとは?トレイとの違い

2023年07月06日

アンティーク銀器でよく言われるサルヴァとはなんでしょう?

17世紀にイギリスで生まれた言葉で、英語ではSalver と書き、食器やグラスを乗せて運ぶための取手の無いお盆のことです。円形のものがほとんどです。かつて、王室の人々は毒物検査が終わった後、食べ物や飲み物をサルヴァに載せて食卓に供したと言われています。脚付きの物も多くあります。

また、トレイとは取手のついたお盆のことで長方形のものが多く、楕円形のものも多くあります。脚付のものも少ないけれど、あります。

15-20cm ほどの小さなサルヴァはかつてご主人様がいらっしゃらなかったときに訪問された方のカードや手紙を載せて
ご主人様に渡す時に使われたりしました。

当店では装飾のあるサルヴァを多く扱っていますが、実際には何も文様のないサルヴァも多くあります。

盆面の彫刻はノミとハンマーを使ったフラットチェイシング(凹凸を出さない打ち出し彫刻)で彫刻されることが多く、その場合は、裏側に文様の跡が映ります。

そのほかにエングレービング、と呼ばれる彫刻刀やニードルによる彫刻によるものもあり、その場合には裏側に文様の跡は残りません。

縁飾りは鋳金細工で作られた文様をサルヴァに溶接するタイプが多く、その装飾はスクロール、貝、ガドルーン、ビーズなど多岐に渡ります。


縁は鋳金細工の貝やスクロール、盆面はフラットチェイシング(凹凸の無い打ち出し彫刻)、脚はスクロールの猫脚と ヴィクトリアンロココ風のサルヴァ。
詳細はこちらから https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2569




盆面はエングレービング。 表からパッと見ただけではエングレービングか、フラットチェイシングかはわかりにくいです。
参考品。


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