とても特別な、ビクトリア時代のキャビネットプレートをご紹介いたします。
キャビネットプレートとは、使用目的ではなく、、接客間や居間用のディスプレイキャビネットなどに入れて見て、愛でて楽しむためのプレートのことです。使用するためのプレートと違い、非常に豪華な金彩、金盛や、とても食器とは思えない、芸術的な絵付けがされていることが特徴で、特に有名な作家のものは芸術品の扱いとなっています。
もともとは17世紀、18世紀のヨーロッパの王侯貴族たちのために作られたのが始まりのため、ポースリン(磁器)の質、顔料の質、アーティストの質など、すべてが、当時のトップレベルの技術を集結したものであることが多いです。
このキャビネットプレートの作家、Antonin Boullemier (ブルミエール)について。
ブルミエールは1840年にフランスのMetzで国立セーブル陶磁器製作所の非常に有名な絵付師の息子として生まれました。
パリの名だたる絵付け工房数社で修業し、その後、国立セーブル陶磁器製作所に入り、フランスの19世紀を代表するアーティストである、Hippolyte Evariste Etienne
Fragonard(1806-1876)のために働いていました。
ブルミエール は当時、陶磁器のフィギュアの絵付けをしていましたが、フログナール曰く、「彼は、打ち勝つ者のいない、優美な色彩センスと卓越した繊細な制作技術でどのレベルのフィギュアでもこなす」と絶賛されました。
1870年、この技術の高さを買われ、ブルミエールはイギリスのミントンに移ります。2度による革命で、芸術にお金が払われなくなってきていたフランスよりも、産業革命でお金持ちが増え、貴族が芸術を謳歌できたイギリスに移ることは当然の成り行きだったのかもしれません。
ブルミエールは、1870年、早速ヴィクトリア女王の長男、エドワード皇太子(次期国王)のためのセーブルブルーのデザートセットに250以上の天使を絵付け。
当時のミントンの社長はヴィクトリア女王から、セーブルの陶磁器を借り、すべてプルミエールに絵付けさせ、完璧なコピーをヴィクトリア女王のために作らせました。
ヴィクトリア女王の次男である、アルフレッド皇太子の1874年の結婚に際し、新居のためのデザートサービスに、ブルミエールは1点1点、104の天使を絵付けしました。
その後も、ブルミエールの作品は1878年のパリの万国博覧会に出展され、絶賛。
このプレートは、その万国博覧会に出展されたプレートのうちの一つだとのことです。
その後もロイヤルアカデミーのエキシビション出展、ベルギー王のための食器に絵付け、またも、エドワード皇太子のためのディナーデザートセットへの絵付け、など、数多くの賞を受賞、王侯貴族への絵付けの請負った、まさにイギリスおよび、フランスののトップ絵付けアーティストの作品となります。
状態:制作時から136年が流れていますが、新品といっても信じてしまえるような (このような絵付けができるアーティストは現代にはいませんが)、ミントといっていい素晴らしい状態です。ボーダーの金彩には金が盛られているところが多数ありますが、いずれも金盛がかけたり、薄くなっているようなところはなく、金彩にもほぼ、薄れがありません。表面には使用キズは一切ありません。目に見えないような小さなへこみ窯キズが一カ所あります。裏には小さなへこみ窯キズが1か所(窯キズとも呼べない、手作りなら、当たり前にあるようなものです)あるのみです。糸底には少々のスレがございます。
こちらのお品は非常に値の張るものですので、どなたにでもお勧めできるものではございませんが、ヴィクトリア時代のヨーロッパの王侯貴族が手にしていた、最上級の陶磁器の技術を堪能していただける逸品かと思います。
こちらのお品はイギリスの老舗オークションハウスBonhams (サザビーズ、クリスティーズと同レベルの高級オークションハウス)より鑑定を受けており、本物であることが確かめられています。
イギリスから国際宅配便にて配達させていただきます。場所にもよりますが、通常は発送日から3営業日での到着となります。(離島は国際宅配便での配達が難しい場合がございます。その場合は、追跡記録付きの国際郵便にてお送りいたします)
サイズ
直径 約24cm
高さ:約2.5cm
こちらの商品は実店舗でも同時販売されているものです。行き違いなどで、販売済みとなってしまう場合がございますので、ご了承いただければ幸いです。