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銀器にまつわるうんちく話 その4 彫刻技法
2023年06月22日
アンティーク銀器の彫刻技法は大きく分けると二つに分かれます。

一つエングレービングと呼ばれる、ニードルや彫刻刀などで表面に線を入れ、モチーフを彫刻していく技法です。銀は切り取られ、削られるのであって、スクラッチ傷のように表面をキズつけるだけではありません。


もう一つは打ち出し彫刻と呼ばれる技法で、のみとハンマーによって表面に凸凹をつける技法です。
この技法は大まかに三つの技法に分かれます。

しかし、これらの技法は混同されることが多く、イギリスでも結構適当な使い方をされていることが多いです。現在のイギリスではほとんどの打ち出し彫刻をチェイシングと記していることが多く、実際に非常に分かりにくいため、店主もレプ−ス、エンボシングの言葉はほとんど商品説明では使っていません。

レプ−ス:銀面の裏側から叩いで、表面に凸凹をつける

チェイシング:銀面の前面から叩き、表面を凹ませる技法。

エンボス:(Embossing) レプースを意味するように今日では使われることが多いが、本当はレプースとチェイシングを合わせた技法。 裏面から叩いて、基本的な形を作り、その後、ディテールを表側から打ち込みます。

凸凹を出さない打ち出し彫刻もあります。

フラットチェイシング:凹凸をつけない、打ち出し彫刻技法。 エングレービングとよく間違われるが、エングレービングと違い、銀面の裏に彫刻の跡がつきます。サルヴァなどによく使われる技法です。




シルバープレート 特級 1859年 エルキントン 可憐なお花の摘み お花の彫刻ティー3点セット
https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2567

縁取りは前面から、お花や葉の膨らみは裏面から叩いていると思われる、打ち出し彫刻技法を使ったティーセット。
フラットチェイシングもティーポット上部に使われています。
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