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店長日記
店長日記:33
2023年09月15日
アンティークのティーセットを探しているとバチェラーサイズ、ということを聞くことがあるかと思います。

バチェラーは二つの意味があり、一つは「学士号を授与された者」。もうひとつは「未婚男性」という意味です。

バチェラーサイズのバチェラーは未婚男性用サイズ、という意味になります。


19世紀のイギリスではただの未婚男性、という意味でもありましたが、貴族の家庭では当主が交代すれば、その兄弟である次男や三男などの男兄弟は結婚していなくても家を出て行かなければならない。(女性は結婚するまでは家を出ない)そういう、貴族、お金持ちの未婚男性のことをバチェラーと呼んだ、という文献がありました。

バチェラーはあまり若い男性を指す言葉ではなく、30代を過ぎたような男性を指すようで、大きな屋敷を出てもロンドンの高級フラット(日本語で言うマンション)に住み、バトラーを雇い、身の回りのことを全てやってもらって遊んでいる人を揶揄するような意味も当時はあったようです。

バチェラーサイズはそのような人たちのものですが、未婚男性だけでなく、当主が亡くなって当主が代われば、その未亡人も家を出なければならないため、そのような未亡人のためでもあったといいます。また、現当主の妻はダイニングルームでは朝食をとらず一人でベッドルームで朝食をとる習慣があったため、その際にも使われたと思います。

いずれにせよ、バチェラーサイズは紅茶カップ2−3杯用と、日本のご家庭ではとても使い勝手が良いサイズです。
アンティークのフルサイズのシュガーポットはサイズがとても大きく、砂糖入れとして使うのは難しいですが、バチェラーサイズはクリームジャグやシュガーポットも小さく、本来の使い方として使えます。
毎日の自分用ティーポットに、という方や、なぜかバチェラーサイズのものは純銀のものが比較的多く出回っているので、いきなり純銀のフルサイズのティーセットより、小さいものから純銀ティーセットデビューしたい、という純銀アンティーク初心者の方々にもピッタリです。

以下、当店で今までご紹介したバチェラーティーセットをご紹介いたします。


本日の新商品です。 シンプルながらカールしたハンドルの葉模様やスクロールの甘過ぎないフリルが素敵なアクセントになっています。

詳しくはこちらから
https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2583


以下のお品は当店売却済みのアーカイブから


ヴィクトリア時代中期の細かな手彫りエングレービングが見事なお品。



ヴィクトリア時代後期、貝や、お花、スクロールなどのヴィクトリア時代らしい豪華な打ち出し彫刻がゴージャスなティーセット。


1914-39年の間に制作された、いかにもバチェラー向けのハンサムなティーセット

2023年08月25日
ビスケットウォーマーとはなんでしょう?

ビスケットと言いますが、実は今で言うスコーンのようなものを温めておく銀器のことです。ヴィクトリア時代中期ごろから1920年代くらいまでと比較的短い間に使われていたようです。

当店でもとても人気のあるビスケットウォーマーですが、非常に珍しい銀器なのでイギリス人でもアンティーク銀器に詳しい人でないと知っている人はほとんどいません。

ビスケットウォーマーに関する記述はいろいろ探しましたが、あまり見つかっておらず、制作されていた年数も70年余りと短く、この銀器がどのような家庭でどのような位置を占めていたのかは銀器自体の作りや数少ない写真などから想像するしかありません。

銀器は直接火の前にかざす銀器であることから火に強いニッケルシルバーの地金を使ったシルバープレート製のものであることが多いです。純銀のものはたまにあります。

しかし、実用一点張りでは全くなく、装飾は凝ったものが多く、外側の彫刻が見事なもの、スタンド部分の鋳金細工が凝ったもの、内側のグリル(仕切り)が美しいものなど、手間暇をかけて作られたものが多い印象で、貴族やお金持ちのテーブルやピクニックなどに彩りを添えるものだったのかと窺えます。 

ヴィクトリア時代終わり頃の写真で、貴族と思われる人々のピクニックで、ビスケットウォーマーが写っている写真を見たことがあります。アフタヌーンティーなどのテーブルで使われたこともあったのかもしれませんが、おそらくですが、店主の勝手な想像では、どちらかといえばピクニックや狩猟などで温かいものが簡単に食べられないような時にこの銀器が使われたことが多かったのではないか、と思っております。銀はもとより、シルバープレートの地金のニッケルシルバーも熱伝導率が高く、さらに毛布で包めばかなり長い間銀器を温めておくことができます。 そのため、貴族やお金持ちの人々がピクニックに遠出した際や、狩猟中の中休みなどに温かいビスケット(スコーン)が食べられる、というわけです。

ビスケットウォーマーにはいろいろな仕掛けをつけて特許をとっているものもあります。ボタンを押して開閉するもの、内側のグリルが二つのボウルの間にストンと落ちて仕切りが倒れてこないようになるものなど、たいした仕掛けではないのですが、特許の刻印がある、ということはそれまでにはそのような作り方はされてこなかったのでしょうね。
産業革命を起こした国だけあって、この時代のイギリスは本当にいろいろなものが発明されたり改良されたりしており、そういう発明をしては特許を取ろうとする人も多く、特許局もかなり忙しかったようです。

ビスケットウォーマーは時代の流れで需要がなくなってしまったようで20世紀に入るとあまり作られなくなってしまっいました。しかし、この摩訶不思議な銀器はいろんな人を魅了する力があるようで、現代でも世界各国のアンティーク銀器ファンに人気があります。



今日の新商品としてご紹介しているハンドバッグ型ビスケットウォーマーです。



詳しくはこちらから https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2580


今までご紹介したビスケットウォーマーの数々(売却済みのお品です)


ビスケットウォーマー制作の第一人者として有名なFenton Brothers の 1851年制作のシェル型ビスケットウォーマー


スタンド部分の鋳金細工が美しい、シェル型ビスケットウォーマー


非常にレアな純銀製、3面のビスケットウォーマー


薔薇の透かし細工のスタンドが見事


美しい透かし細工のグリル
2023年07月31日
アンティーク銀器にはよく、ガラスを合わせたものをよく見かけます。
ガラスと銀器はとても相性が良く、特にカットグラスやフリルのあるグラスは銀器と合わせるとお互いに光を反射してキラキラと輝き、とても華やかです。

これは華やかになるだけでなく、まだ電灯がない時代、日が暮れてからは蝋燭やオイルランプだけで部屋を十分に明るくすることは困難だったため、鏡やシャンデリアに加え、銀器やガラス器に蝋燭やオイルランプからの光を反射させて部屋を明るくする効果があったと思われます。

今日はガラスの中でもルビーのような濃いピンク色が素敵なクランベリーグラスについてお話しします。

クランベリーグラス、またの名をゴールドルビーと呼ばれるガラスは溶融ガラスに金塩またはコロイド状金を添加して作られる濃いピンクのガラスでです。
金が含まれるため、高価で大量生産品には見られず、工芸品として作られます。

クランベリーグラスの起源は不明ですが、多くの歴史家はこのガラスの一種がローマ帝国の末期に初めて作られたと考えています。イギリス、大英博物館には4世紀のローマ帝国時代のケージカップが展示されています。

しかし、その後、その技術は失われてしまい、17世紀のボヘミア時代に再発見されたと言われます。しかし、当時は誰もこの色を生み出すメカニズムはわかりませんでした。

1925年にノーベル化学賞を受賞した、リチャード・アドルフ・ジグモンティーは金の小さなコロイドが赤い色の原因であることを発見しました。

クランベリーグラスの生産で最も有名な時期は19世紀のヴィクトリア時代です。

クランベリーグラスはその華やかな色のため、テーブルディスプレイとして、銀器バスケットの内ガラス、ワイングラス、シュガーバスケット、デカンタなど色々なものが制作されました。

本日ご紹介している、グラデーションクランベリーグラス ジャムディッシュ


シルバープレート ヴィクトリア時代後期 フリル付き グラデクランベリーグラス ジャムディッシュ
詳細は以下のURLから
https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2329


今までご紹介してきたクランベリーグラスと銀器の組み合わせの数々



2023年07月06日
アンティーク銀器でよく言われるサルヴァとはなんでしょう?

17世紀にイギリスで生まれた言葉で、英語ではSalver と書き、食器やグラスを乗せて運ぶための取手の無いお盆のことです。円形のものがほとんどです。かつて、王室の人々は毒物検査が終わった後、食べ物や飲み物をサルヴァに載せて食卓に供したと言われています。脚付きの物も多くあります。

また、トレイとは取手のついたお盆のことで長方形のものが多く、楕円形のものも多くあります。脚付のものも少ないけれど、あります。

15-20cm ほどの小さなサルヴァはかつてご主人様がいらっしゃらなかったときに訪問された方のカードや手紙を載せて
ご主人様に渡す時に使われたりしました。

当店では装飾のあるサルヴァを多く扱っていますが、実際には何も文様のないサルヴァも多くあります。

盆面の彫刻はノミとハンマーを使ったフラットチェイシング(凹凸を出さない打ち出し彫刻)で彫刻されることが多く、その場合は、裏側に文様の跡が映ります。

そのほかにエングレービング、と呼ばれる彫刻刀やニードルによる彫刻によるものもあり、その場合には裏側に文様の跡は残りません。

縁飾りは鋳金細工で作られた文様をサルヴァに溶接するタイプが多く、その装飾はスクロール、貝、ガドルーン、ビーズなど多岐に渡ります。


縁は鋳金細工の貝やスクロール、盆面はフラットチェイシング(凹凸の無い打ち出し彫刻)、脚はスクロールの猫脚と ヴィクトリアンロココ風のサルヴァ。
詳細はこちらから https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2569




盆面はエングレービング。 表からパッと見ただけではエングレービングか、フラットチェイシングかはわかりにくいです。
参考品。
2023年06月22日
アンティーク銀器の彫刻技法は大きく分けると二つに分かれます。

一つエングレービングと呼ばれる、ニードルや彫刻刀などで表面に線を入れ、モチーフを彫刻していく技法です。銀は切り取られ、削られるのであって、スクラッチ傷のように表面をキズつけるだけではありません。


もう一つは打ち出し彫刻と呼ばれる技法で、のみとハンマーによって表面に凸凹をつける技法です。
この技法は大まかに三つの技法に分かれます。

しかし、これらの技法は混同されることが多く、イギリスでも結構適当な使い方をされていることが多いです。現在のイギリスではほとんどの打ち出し彫刻をチェイシングと記していることが多く、実際に非常に分かりにくいため、店主もレプ−ス、エンボシングの言葉はほとんど商品説明では使っていません。

レプ−ス:銀面の裏側から叩いで、表面に凸凹をつける

チェイシング:銀面の前面から叩き、表面を凹ませる技法。

エンボス:(Embossing) レプースを意味するように今日では使われることが多いが、本当はレプースとチェイシングを合わせた技法。 裏面から叩いて、基本的な形を作り、その後、ディテールを表側から打ち込みます。

凸凹を出さない打ち出し彫刻もあります。

フラットチェイシング:凹凸をつけない、打ち出し彫刻技法。 エングレービングとよく間違われるが、エングレービングと違い、銀面の裏に彫刻の跡がつきます。サルヴァなどによく使われる技法です。




シルバープレート 特級 1859年 エルキントン 可憐なお花の摘み お花の彫刻ティー3点セット
https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2567

縁取りは前面から、お花や葉の膨らみは裏面から叩いていると思われる、打ち出し彫刻技法を使ったティーセット。
フラットチェイシングもティーポット上部に使われています。
2023年06月08日
透かし細工とは

銀器ショップの説明文を見ていると「透かし細工」という言葉が出てくることがよくあるかと思います。

特に当店は店主が「透かし細工」されている銀器が大好きなのでかなりの頻度で出てくると思います。

コトバンクを調べると、透かし細工とは、金属・木・石などをくり抜いて文様を表す技法。文様を透かして素地を残す方法(文様透かし)と、文様の周りの素地を透かす方法(地透かし)がある。

とあります。まさにこの言葉通りで、日本にも透かし細工の工芸品はたくさんありますが、世界各国にいろいろな素材を使った透かし細工の工芸品があります。

英語では openwork または pierced work という言い方をします。

イギリス銀器の世界の透かし細工は大まかに分けてふた通りあります。一つはヴィクトリア時代後半よりも前の時代に多かった、パンチや手作業などで穴を開け、模様をつけるピアッシング法。


https://victoriantearoom.ocnk.net/product/1397
純銀製(925) 1782年へスターベイトマン透かし細工ラージケーキバスケット


https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2516
純銀製(925) 1891年 透かし細工ボンボンバスケット

エドウォーディアンになって増えてきた、フラットの状態の銀の板にデザインし、手作業で図柄をカットしてから銀器の形に作り上げるもの。ものによってはトップのふちと底部分を作り、図柄をカットしたものを上下に溶接するタイプのものもある。


https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2402
純銀製(925) 1906年 ハンドカットスクロールのボンボンディッシュ。


https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2549
純銀製(925) 1926年 流れるような透かし細工が美しい ナプキンリング4組セット


最後に、カットはしていないのですが、銀器の縁と底部分の間にワイヤーをぐるっと立て、そこに鋳金細工でモチーフを溶接していく方法もあります。


https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2228
純銀製(925) エルキントン手作業の鋳金透かし細工 貴族の館の花入(ジャーディニエール)/フルーツバスケット


https://victoriantearoom.ocnk.net/product/2565
純銀製(925) お花、薔薇、小花と葉模様の透かし細工 シュガーバスケット

いろいろな形の透かし細工がありますが、模様が透けて見える、また、バックグラウンドが透けて見えるだけで、どうしてこのように心がときめくのでしょうか。

店主は銀器の中でも透かし細工が大好きで、やはり、流れるようなうねりのある透かし細工を見ると、どうしても見過ごすことができません。

今度、あなたの好きな銀器についてぜひ、聞かせてくださいね!

2023年06月05日
銀にまつわるうんちく話その2

ヴィクトリアンロココとは

ヴィクトリア時代、中期から後期にかけて、ロココスタイルの再流行がありました。イギリスの当時のシルバースミスはユグノーという、フランスから追い出されたのプロテスタント教徒の子孫が多かったはずなのですが、フランスを離れて数世代を経てしまうとデザインもオリジナルのロココからちょっと離れてしまうものなのですね。ロココデザインは左右非対称であることが鉄則のはずですが、なぜか、イギリスのロココリバイバルは左右対称になっているものも多いです。


ヴィクトリアンロココはおそらく、日本語だと思います。というのは、イギリスで、そういう言い方を聞いたことがないからです。 おそらく、日本のアンティークシルバーの権威である、大原千晴氏がそう呼んだことからかと思います。

イギリスでは今日ご紹介した、マーティンホールのティー&コーヒーセットと同じスタイルのものだけ、ルイ・スタイルと呼んでいます。ロココ時代のフランス王の名前に因んだものと思われます。




ルイ・スタイルは写真のように鳥の摘み、鷲のスパウト、ギリシャ神話の神様のモチーフ、 が必ずセットになってついています。

他にも例をあげますと、



こちらはトップは鳥のつまみではないのですが、うーん、ルイ・スタイルと言っても良いと思います。




他にも、薔薇などのお花の彫刻、スクロールや貝のモチーフなどお決まりはあるのですが、薔薇などのお花の彫刻、スクロール装飾で装飾されていても、上記のモチーフのないものは、イギリスのディーラーさんたちはルイ・スタイルとは呼んでいないようです。

そういうものはただ単に Victorian ornate tea set (ヴィクトリア時代の華やかなティーセット)とか、Rococo style tea set などという呼び方をしています。Rococo revival という言い方もします。


前回ご紹介したシルバープレートのティーセットや



以前にご紹介した純銀のティーセットなどですね。こちらなどはシェイプもデザインもルイ・スタイルに似ているのですが、ルイ・スタイルとは呼ばないようです。



当店は日本のお客様がロココスタイルの華やかなスタイルをお好みな場合が多いので、主にロココスタイルのものをご紹介しておりますが、実際にはイギリスの銀器はつるんとした鏡面のものが多く、欧米の人には鏡面の銀器の方が好まれているようです。

なかなか最近は中国や韓国の方もアンティーク銀器にかなり興味があるようで、やはり、アジアの方はロココ系のデザインがお好きなようですので、ヴィクトリアンロココのものはどんどん少なくなってきています。

アンティーク品は一期一会ですので、これだ!というのが見つかったらぜひ、手に入れてくださいね。

2023年05月26日

EPBMとは

 

写真:EPBMのティーセット

たまにシルバープレートの銀器に刻印してあるEPBMとはどういう意味かご存知でしょうか。

EPBMは Electroplated Britannia Metal の略で、シルバープレートの地金である合金の名前です。

シルバープレート用の地金はEPNSが有名ですが、これはElectroplated Nickel Silver の略です。

EPNSについてはまた説明させていただきますが、EPBMはEPNSの代わりに編み出されたシルバープレート用の合金で、合金の割合は92%が錫、アンチモンが6%、銅が2%となっています。錫は毒ではないか、と心配される方もいるのですが、融点が255度ですので、お茶を入れるのには全く問題はないとされています。

利点もあり、EPNSよりも酸に強く、リプレート(純銀かけ直し)の際に地金に穴が空いたりする心配がありません。 純銀かけ直しもEPNSと同じように綺麗にかかってくれます。

 

昔は、EPBMはEPNSより劣るように言われていましたが、最近は綺麗なシルバープレートの銀器自体が減ってきているため、EPBMのお値段もだいぶあがってきており、あまりEPNSとの違いを感じなくなってきています。

2017年10月13日

東京、大阪で展示販売会を開催いたします!

日本にお持ちする商品の一部をご紹介しております。

東京、大阪の展示会の詳細はこちらから http://victoriantearoom.ocnk.net/page/7

 

ロココ調の、流れるような曲線のスクロール装飾が美しい、純銀製(925)ティースプーンとシュガートングのセットです。

 

1903年の制作。エドワード王朝に入って2年くらいのお品ですね。

 

100年をとっくに経ているお品ですが、箱の表こそ、古さを感じさせますが、純銀のスプーンとトングはもちろんの事、美しいピンクのシルク生地とえんじ色のベルベット生地で作られた内装は今作られたかのような美しさを保っています。

スプーンとシュガートングは凛とした、本物の美しさがあります。 このころは、ダウントンアビーの第一シリーズ目のころより10年くらい前、まだまだ、ヴィクトリア時代の面影を引きずっていた時代ですね。

そんな時代の貴婦人が使っていただろうお品を至福のティータイムにぜひ使ってみてください。

東京、大阪の展示会の詳細はこちらから http://victoriantearoom.ocnk.net/page/7

2017年10月13日

東京、大阪で展示会を開催いたします!

 

日本にお持ちする商品の一部をご紹介しております。

 

東京、大阪での展示会の詳細はこちらから http://victoriantearoom.ocnk.net/page/7

 

ロココ調の、流れるような曲線のスクロール装飾が美しい、純銀製(925)ティースプーンとシュガートングのセットです。

 

1903年の制作。エドワード王朝に入って2年くらいのお品ですね。

 

100年をとっくに経ているお品ですが、箱の表こそ、古さを感じさせますが、純銀のスプーンとトングはもちろんの事、美しいピンクのシルク生地とえんじ色のベルベット生地で作られた内装は今作られたかのような美しさを保っています。

 

スプーンとシュガートングは凛とした、本物の美しさがあります。 このころは、ダウントンアビーの第一シリーズ目のころより10年くらい前、まだまだ、ヴィクトリア時代の面影を引きずっていた時代ですね。

そんな時代の貴婦人が使っていただろうお品を至福のティータイムにぜひ使ってみてください。

 東京、大阪での展示販売会の詳細はこちらから http://victoriantearoom.ocnk.net/page/7

2017年10月12日



東京、大阪の展示会の詳細はこちらから http://victoriantearoom.ocnk.net/page/7


去年に引き続き、今年も東京、そして、初めて大阪でアンティーク銀器の展示販売会を行うことになりました。
 
おかげさまで、この、アンティーク銀器専門のネットショップ「The Victorian Tea Room」をオープンして、この10月で、丸5年が経ちました。
 
その前の、ヤフオク時代も含めますと、日本の皆様にお買い上げいただいたアンティーク銀器はネットだけで、総数で1200点以上にも上ります。当店は商品に触れられない代わりに、たくさんの写真、非常に詳しい説明で商品をご案内しています。最近では、写真と一緒に動画もアップしており、銀器の様子がわかりやすいと、とても評判がいいです。
しかし、昨年初めての展示販売会を開いて思ったのは、銀器は安いものではなく、やはり、できたら、見て、触って品質を確かめて購入したい、と思う方が一定数いらっしゃるということです。
 
前回お客様におっしゃっていただいた、「直子さんの商品を何回も買っていますので、品質やディーテイルには何の疑問も持っていませんが、やはり、自分で、見て、触って、持った感じを確かめて買えるのはすばらしいですね!」という、お言葉が耳から離れず、ショップ5周年であることもあり、よし、今年も日本で展示販売会をやろう、たくさんのお客様に見て、触って、感じていただこう、と思った次第です。
 
展示販売会には、わたくし本人が常駐しておりますので、銀器に関して、普段疑問に思っていらっしゃること、お手入れの方法、使い方、最近のトレンドなど、なんでもその場で聞いていただけます。
 
アンティーク銀器のファンの方、興味があるけれど、銀器って大変そう、と思われている方、銀器のことをもっとお知りになりたい方、イギリスから、選りすぐりの銀器をお持ちして、お会いできるのを心から、楽しみにしております。東京、または、大阪でお会いしましょう!

東京、大阪の展示会の詳細はこちらから http://victoriantearoom.ocnk.net/page/7

ボーイズ直子
The Victorian Tea Room
2017年09月08日
シルバープレート製、ヴィクトリア時代、中期から後期のものと思われる、鋳金細工のボーダーに手彫りの打ち出し彫刻で装飾された、素晴らしいサルヴァをご紹介いたします。
 
サルヴァとは持ち手部分の無いトレイのことです。大体は円形のものです。
グラスやカップ&ソーサーなど、小さなものを運ぶことにも使われましたが、クラレットジャグ(ワイン用のジャグ)やウォータージャグ、グラス置きにしたり、小さなものは執事が訪問者からカードやメッセージを主人のために受け取ったりするものに使われました。
 



メーカーなどの刻印はありませんが、鋳金細工で作られたボーダーにしても手彫りの打ち出し彫刻にしても非常に質が高く、エドワード朝後期からはこのようなサルヴァは見られなくなってきていることからヴィクトリア時代後期のものだろうと思っています。


鋳金細工で作られたカールアップした脚部も流れるようなスクロールとビーズで飾られ、とてもエレガントです。

お茶の時間のトレイとしてはもちろん、お皿代わりにカナッペや、サンドイッチ、小さなケーキなどを置くとアフタヌーンティーパーティーなどで、大活躍してくれると思います。

詳しくは、http://victoriantearoom.ocnk.net/product/1427 からどうぞ。

動画は、こちらから。https://youtu.be/DturKysQlR8

2017年09月05日
ハプスブルグ家を君主とした、オーストリア=ハンガリー帝国の時代の銀器はロココの流れをくむ、美しい銀器がたくさんあります。
 
 こちらのお品も、流れるような曲線のロカイユや花の打ち出し彫刻が見事な、典型的なロココデザインのジャーディニエール(花器 英語の発音では ジャーディニアという)です。




音楽の都でもあるオールトリア=ハンガリー帝国のものらしく、端についたエンジェルのモチーフもヴァイオリンを弾いています。



表側のスタンドにはオーストリアの純銀のマーク、ダイアナヘッドの横に1がついており、950/1000の純度を表しています。(フランスと同じですね) 内側の中敷きも金属テスターで純銀であることは確かめられておりますが、マークはついておりません。 中敷きまで純銀、しかも金鍍金張りって、なんて贅沢なんでしょう!通常はジャーディニエールは土を入れてお花を植えるものだと思いますが、これは小さめのため、恐らく、マントルピースの上や、テーブルの上にお花を飾るものでしょう。
 
19世紀の貴族やお金持ちのとても贅沢なジャーディニエールです。


詳しくは、http://victoriantearoom.ocnk.net/product/1425 をご覧ください。
 
 
2017年08月28日
ハンドカットによる透かし細工のハンドルがエレガントなスタンド付きのティーストレイナーです。






スタンドは1943年制作、ティーストレイナーは1944年制作です。メーカーも同じ、ティーストレイナーはぴったりスタンドにはまりますので、合わせのものではありません。
制作に年がまたいでしまうと登録年も変わってしまうことはよくあるので、不思議なことではないのですが、両方とも第2次世界大戦の真っただ中ですよね。そんな時でもこんな優雅なティーストレイナーでお茶を召し上がる人がいた、ということなんでしょうね。

イギリスの銀製品は制作年が新しくなればなるほど造りが雑になってくるものもありますが、こちらのお品は透かし細工も丁寧に手でカットされており、スタンドも受け皿の裏の足はネジになっており、ちゃんと取り外しができる造りになっています。


詳しくは、http://victoriantearoom.ocnk.net/product/1419 から。
2017年08月27日





こちらのペイストリートングは、ドイツの1900年ごろのもの。 ドイツの純銀はイギ

リスのものと比べ少々純度が低く、 ピュアシルバー1000に対して、800から835程度のものが主流です。(イギリスのものは925)
こちらのものも835のマークがあります。
 
こういったペイストリートングはイギリスにはなぜかありません。似たようなものにアスパラガストングがありますが、それをペイストリートングと呼んでいるところもあるようです。
 
 
ドイツはヒルデスハイムのもので有名なように薔薇装飾の銀器が多いです。こちらのトングもロカイユ装飾に薔薇を散らしたロココ調の素敵なデザイン。



ハンドル部分は当時、とても貴重だったフルーツのモチーフ。こちらもロカイユ装飾と組み合わせて。



アフタヌーンティーの焼き菓子をサーブするのにぴったりなトングです。


詳しくは、http://victoriantearoom.ocnk.net/product/1416 をご覧ください。
2017年08月16日
一つ一つ、ノミとハンマーで打ち出し彫刻し、ピアッシング(透かし細工)された、ヴィクトリア時代後期の純銀製、貝の形のディッシュです。





制作者はアトキンブラザース。 1750年代にまでさかのぼれる、イギリスを代表するシルバースミスの一つです。

イギリスのシルバースミスは、イギリスが一番繁栄していた、ビクトリア時代に創業したところが多いのですが、18世紀から続いている老舗は、中産階級の人々が富を得るようになる前、銀製品を所有することが王侯貴族と大金持ちの特権であった時代から、彼らのためのシルバースミスだったのです。

特にこのアトキンブラザースは質の高い職人がいることで有名でした。それは彫刻だけでなく、このお品の美しいフォルム、純銀の板をたわめながら完璧なシェルの形に形成するなど、金属工芸としての技術の高さに見てとれます。ピアッシングもひとつずつ丁寧にパンチであけています。

状態は、プロのポリッシュを経た、エクセレントコンディション。一か所、ピアッシングが切れているところがございますが、きれいに修理してからの発送となります。

動画はこちらから
https://youtu.be/zsfWe9BQjGo

商品説明はこちらから

http://victoriantearoom.ocnk.net/product/1296


もちろん、こちらのお品もセール対象です。
初めての一般向けサマーセール絶賛開催中です!


2017年08月14日
1899年制作の、とても繊細な透かし細工が美しい、純銀ティースプーン6本セットです。

シェフィールドの、170年もの長きにわたって活躍していた、シルバースミスによるもの。






詳しくはこちらから http://victoriantearoom.ocnk.net/product/1356

サマーセール、絶賛開催中です!

2017年07月01日
ヴィクトリア時代、1895年マッピン&ウェッブ社の、シェルスプーンとしては完璧と思われる、大変美しいフォルムを持つスプーンセットをご紹介いたします。



王室御用達で有名なシルバースミス、マッピン&ウェッブ。現在は、宝飾店として有名ですが、1775年の創業から、2000年ごろまではイギリスを代表する、純銀、シルバープレート製品のトップメーカーでした。 初めて王室御用達を受けたのはヴィクトリア女王の時代ですが、今現在でもエリザベス女王とチャールズ皇太子から王室御用達を受けています。

そのマッピン&ウェッブのヴィクトリア時代のシグネチャー作品とも呼べるような見事なシェル型のティースプーン6本とシュガートングのセットです。

このお品には、ほかのものがとても及ばない、筆舌には尽くしがたい、堂々とした気品があります。

箱を開けた瞬間に、本物を持つということはこういう事なんだ、と一瞬で理解できてしまう、すごい存在感がこのお品にはあります。

手に入れたその瞬間から、あなたの一生のお供となるでしょう。

詳細はこちらから

http://victoriantearoom.ocnk.net/product/1400

動画はこちらから

https://youtu.be/WsF8RCPB3BY
2017年06月02日
ダウントンアビーのロケ地である、8代目カナーヴォン伯爵家である、ハイクレア城の貸し切り見学ツアーがあるというので、参加してきました。





RSVPという、イギリス情報専門雑誌の10周年記念イベントだったそうで、ただでさえ公開日が少なく、切符を手に入れるのが難しいといわれる、ダウントンアビーのロケ地、ハイクレア城を貸し切ってのガイド付き見学ツアー、その後には場内に設置されたマーキーに手のランチパーティー、カナーヴォン伯爵夫人のトークイベントと、普通では考えられない豪華なツアーでした。

館内は一切撮影禁止とのことで、館の中の写真が撮れないのが残念でしたが、撮影に使われた入口のフォイエーや大鬼んぐるーむは意外と小さく、こじんまりとした印象でした。しかし、1階は撮影に使われている、フォイエー、ダイニングルーム(朝食も夕食も実は同じ部屋)ライブラリーのほかにも何部屋も撮影に使われていない部屋があり、会場のベッドルームもドラマの印象よりももっともっとたくさん部屋があります。
5代目カナーヴォン伯爵はアマチュア考古学者で、かの有名なツタンカーメン王の墓の発掘にをしたハワードカーターの資金支援者として知られており、地階には、エジプトの発掘物が展示されています。(ツタンカーメンの墓のものはない)

最近のイギリスはどの子貴族の館も維持費が大変で結局館を売らなければならなくなってしまった貴族も多いと聞きますが、ここは、平民(といってもかなり良い王氏の出身の方だと思います)出身の伯爵夫人が結婚前にPR会社にお勤めだったとのことで、その技能を生かして、一生懸命宣伝活動や館の修復に力を入れて、ダウントンアビーの札計二使ってもらう契約を手に入れたようです。



お人柄も非常に気さくな方で、館のほうからは、伯爵夫人の写真(肖像権のため)は撮ってはいけない、質問も勝手にしてはいけないといわれていたのですが、ご本人は全く気になさることもなく、記念撮影も快諾していただけ、いろんな質問にも快くお答えくださいました。

とても印象的だったのが、「伯爵といっても、貴族が働かないで、土地の家賃収入だけで食べていけたのは昔の話で、夫も私も城を次世代につなげていくために非常にハードワークをしています。私は神撫のことをビジネスウーマンだと思っています。」とおっしゃっていたことでした。

近年には、敷地内に宿泊施設、The London Lodgeをオープンされ、今年はすでに満室、という盛況ぶりだそうですし、まだ、新たに展示室をいくつかオープンさせる予定、とおっしゃっていましたし、新しいプロジェクトを次々と考えていらっしゃるようです。

びっくりしたのは、私たちと一緒に場内に併設されたお土産ショップに来られ、伯爵夫人直々に彼女が選んだお土産商品の説明をしていただけるなど、本当に伯爵夫人というよりは、このハイクレア城という、大きなプロジェクトを抱えたびじねすれでぃーというのがぴったりの方で、雲の上の存在と思っていた貴族の方々がこのような努力を続けて館を守っていこうとする姿に感動しました。

その後は、そこから少し離れたコッツウォルズにある、ダウンとアビーに使われた教会や、美しいコッツウォルズの村々を案内していただいて、とてもおいしいカントリーパブでの夕食をしてロンドンに夜遅くに戻ってくる、という、とても充実したツアーでした。




なお、今回このツアーを企画してくださったのが、「イギリスどこでもツアーズ」さん。
名前の通り、イギリスどこへでも個人ツアーの手配を日本語でしていただけるようです。
このようなダウンとアビーのロケ地ツアー、ハリーポッターのロケ地ツアー、コッツウォルズや湖水地方のツアーなど、その方の好みやスケジュールに合わせたツアーを作ってくださるそうですので、既成のツアーでは満足できない方にはぴったりです。

お問い合わせは直接 イギリスどこでもツアーズ http://ukdokodemo.com/ まで。

2017年04月25日
日本のお友達がイギリスにやってきたので、彼女のリクエストでフォートナム&メイソンのダイヤモンドジュビリーティーサロンに行ってきました。

クイーンの在位60周年(ダイヤモンドジュビリー)を記念して作られたティーサロンですが、ロンドンに住んでいながら、というよりロンドンに住んでいるからこそなんでしょうが、今まで行ったことがありませんでした。

フォートナム&メイソンの4階(日本の5階)に位置しているため、陽の光がたくさん入ってとても明るい、柔らかな雰囲気のティーサロンです。 



ものすごく混んでいるティーサロンですので、少し時間をずらした方がいいかもしれませんね。私たちは予約を入れたのが遅かったので、夕方5時半になってしまいましたが、そのくらいの方がゆったりしていてよかったかもしれません。夜9時くらいまでいられます。 


お目当ては、もちろんアフタヌーンティー。お値段は£46(約6400円相当)とさすがフォートナム&メイソンのお値段ですね~。でもリッツや、サヴォイ、ドーチェスターよりは安いのだと思います。


これで二人前ですので(すみません、サンドイッチが減っています…おなかが減ってて…)そんなにたくさんあるようには見えないのですが、これがかなりのボリューム!


サンドイッチはコルネーションチキン、エッグ、ローストハム、キューカンバー、スモークサーモンの5種。
王道ですね。


かわいらしいミニケーキたち。



直径7,8㎝、高さも同じくらいと思われる銀の入れ物にはぎっしりのクロテッドクリーム。


ジャムとレモンカードは一びんづつ!余ったら持って帰れます。これだけでなく、まだ5種類くらいのケーキが取り放題です。

それに加え、ケーキもサンドイッチもスコーンもお代わり自由ですので、とても食べきれる量ではないです。 ちょっとケチにするのなら、同席のどなたかは軽い軽食と紅茶を頼んで、ケーキ類はアフタヌーンティーセットからつまむ、という方が安上がりかもしれません。 結構ウェイトレスさんたちは見ているように感じましたけど…。


フォートナム&メイソンの特出すべきは、もちろん紅茶の種類。 人気のブレンドティーから、珍しいお茶まで、選択の幅はものすごい量です。 お茶好きの方はロンドン滞在中はぜひ一度訪れたいですね。

私は残念ながら紅茶に詳しくないので、せっかくクイーンの在位60年をお祝いしたティーサロンなので、クイーンズブレンドティーをオーダーしました。




アッサム系のとても美味しいお茶でした。

そしてすごく素敵なティーセット。もちろんバチェラーサイズ。
ティーストレイナーは残念ながらレプリカのもの。それでもちゃんとしたシルバープレートです。
スプーンもステンレスではなく、柔らかいあたりのシルバープレート。


お友達との会話に花が咲き、店を出たのは9時過ぎ! でもイギリスでは高級なレストランであればあるほどお客様を追い出すことはしません。(もちろん、最後の方になると、ちょくちょく「何か他に必要なものはありませんか」とお伺いにいらっしゃいますけどね) 最後までゆっくり楽しめました。


スコーンの食べ方について。

スコーンがぱさぱさして食べにくい、というお話をよく聞くのですが、それはクリームのつけ方が足りないのだと思います。

スコーンは横半分に割ったら、山盛りになるくらいクロテッドクリームをつけ、ジャムをのせます。この時の順番はどちらが先でも構いませんが、かたわれのスコーンでふたはしないで、これはこれで、また同じようにクリームをつけて、ジャムをのせて別々に食べます。

はっきり言ってスコーンを食べる際にはダイエットのことは全部忘れて、朝から何も食べずに挑むか、次の日は何も食べないようにするかして制覇してください。 クリームは必ずクロテッドクリームです。今は日本でも手に入りやすくなったと聞きます。スコーンはかなりしっかりした生地なので、ホイップクリームでは生地の強さに負けてしまいます。


この日は、スコーンは一つしか食べられず、ケーキは一ついただいたものの、ほかはお持ち帰りしました。うーん、まだまだイギリス人としての修行がたりない!
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